もりの小学校雑学→バタ足練習は・・・

バタ足練習は、泳げない子には逆効果


2002/08/15

学校の水泳で「はーい、バタ足でできるだけ泳いでみよう。」とかプールサイドに腰掛けて「バタ足の練習うー。」とかいって、足の甲で水を打つ練習をします。あれって、逆効果のときもあるんじゃないかなぁって気がしてるんです。
夏休み、プールであった1人の子どもとの会話です。
10mほど泳いで、
「呼吸ができないから。」
といって立ち上がった子がいました。
呼吸はちゃんとしているように見えます。口はちゃんと水面上に出て、息はしていました。でも苦しくなってしまうから
「呼吸ができない。」
と思ってるんですね。
「呼吸はちゃんとできてるよ。息はちゃんとしてる。苦しくなるわけは他にあるんだ。」
といって、こんな話をしました。
「息はちゃんとできてるけど、息をするよりもっと体を動かすから苦しくなるんだ。」
体は動かすと酸素を必要とします、そこで呼吸が激しくなる。でも体を動かしすぎるとすった酸素じゃ足りなくて苦しくなる。水泳は体を激しく動かしすぎちゃダメなんです。
「バタ足を止めてごらん。手で泳ぐつもりで、足をそんなに動かさなければ苦しくならないはずだから。」
そういったって、バタ足がすぐに止まるわけはありません。これまでさんざんバタバタしながら泳いできたんだから、これが推進力だと思っているんだから、バタ足を止めろと行ったってすぐには止まらない。
でも、バタ足が少し小さくなったとたん、25mをきれいに泳ぎきったのです。
泳いだ後、息が苦しいからと、しばらくプールサイドで一休み。
まだまだ脱力が十分できていないのでしょう、体力も無いのでしょう。でも、25mバタバタせずにきれいに泳げたのはバタ足を止めたためだと思います。

そうそう、その前に手を使わない背泳ぎ(イカ泳ぎ)で20m泳いだのも効果があったかも。背泳ぎもどき(イカ泳ぎ)は呼吸の心配がないから、浮くことを覚えるには手軽です。信頼できる人が、頭をほんの少し押さえているだけで良い。最初は頭の下に手を入れて、25m引っ張ってあげました。そうすると、次に自分だけで手と足をほんの少しだけ動かしながら20m泳ぎました。脱力して浮くことが覚えられれば、後はどんどん泳げるのです。

その子は最後に、水面に仰向けになってしばらく浮いて見せてくれました。素浮きができるなんてびっくりしました。