もりの小学校雑学→お金のないとき

お金のないとき


学校にはお金がない。
教材が不足だ、上が不足だ、コンピュータが少ない。そう思っていた。
市の予算の中に含まれる教育費が少ない。20年前に教育費の占める割合が3割だったのが、1割近くに減っている。もっと教育費を増やしてほしいと思う。

では、そんなときどうするのか。
ボクは一介の教員だから、教育委員会と交渉して1円でも多く取ってくる方法は知らない。それに、教育委員会だって、一生懸命、どうにかしようと努力してくれている。

そんなとき、1つの方法としてだけれど、お金がなければ学校だって、稼げばいいじゃないかと思う。
稼ぐというのは言い方が悪い。お金を助成してもらう方法は色々ある。学校を上げて、助成に向かえば採用される可能性は高い。松下視聴覚教育財団も出した、上月も出した、文部省へも出した、通産省へも出した・・・その他色々出した。バックに有名な人は付いていない、地道な少人数の雄志の研究にはなかなか助成は出ない。「残念ながら今回は、選定されませんでした。」という通知には慣れた。中に「もっと派手な研究でないとお金は出しにくい。」という意味のことを知らせていただける通知があったのは、落選でもうれしかった。それでも、たまには助成が出る。たまには、賞だってもらえる。20回出して1回でも通ればめっけものだ。

お金がなければ、自分たちで作ることだってできる。学校の壁が汚ければ、自分たちでペンキを塗ればいい。教育委員会がきれいに作り直してくれるのを頼むのも手だけれど自分たちでどうにかすることだってできる。教頭先生と学校の鉄のサビにペンキを塗ったのはつい最近のことだ。

コンピュータがなければ寄付を受ければいい。5年前、地元の社長さんに「コンピュータを寄付してほしい。」と話したら、「中古パソコンならたくさんある。40台でも寄付できる。」と言われた。そんなとき学校では、
「何で外部者に寄付を受けるんだ。」
「業者の魂胆は何だ。」
「中古じゃダメだ。新品でなきゃ。」
「置くところがない。」
と大反対を受けたのは5年前だった。

そうそう、ソフトウエアがないという声に、もりの小学校を作りソフトウエアを公開しだしたのも6年前だ。なければ、自分で作ればいい。それは小さな力かもしれないが、積み重ねれば何とかなる。

自分たちでできることを進めて学校を作る。
そんなことを進める指揮をとるのが経営という仕事の要点の1つだと思う。