FmFによるアメリカとの交流


渡航その23、学習用教材のシステム カエルの解剖

小学校の5年生がカエルの解剖をやっている。この授業を2時間見せていただいた。

1日目は、皮膚、目、口を切り開いて口の中の観察とその結果の雄雌の判定まで。

2日目は、腹の解剖、中をきちんと見ている。

10ヶ月は腐らないそうで、水をかけて紙に包んで解剖皿毎保管する。

  

解剖セットと、解剖用のカエル

カエルは、カリフォルニアの会社から1匹500円で購入するようで、たくさんあった。

カエルはそろったものが注文で手に入るのがとっても良いと思う。
(長野県の小学校では魚だけれど、先生が店で買ったり、カエルなら捕まえてきたり)

「1袋あげるよ。」と言われたが、「高いでしょ。」と遠慮すると、「たくさんあるから。」とのこと。

「10ヶ月はこのまま腐らない。」と言ってくれたが、荷物がいっぱいだから「いらない。」と断った。

良く英語話してたね自分で感心。だけどもらってくれば良かった。

これが1時間目の眼球観察中。2人で1匹の解剖。


  

少し進んで口の中の観察。

解剖の様子、とっても静か、でも顔を見ると楽しんでいるようだ。


黄色いのが子供用の教材、白いのと右側が教師用5グレードのカエル教材(約60ページ)

これに従っていれば、誰にでもキチンと解剖が教えられてしまうのがすごい。

児童用は、口の中と、皮膚の観察ページ。


  

そしてこれは、教師用教科書の1ページ、50ページある。制作は1980年。

おいおい、20年も前にこれが作られているのか。こういう教材が蓄積されてきているのがアメリカなのだろう。

どう教育のシステムを作るかが課題で取り組まれてきているのだ。

日本でこんな授業をしたら、絶対に怒られる。「教科書から外れる。」「小学校ではそこまではしない。」等々。

次は児童用のプリント。



 

表紙と、質問(1p)

 

皮膚の観察(2p、3p)

 

口内の観察(4p雌雄の判定)解剖の仕方(5p)と、体内(6p心臓と肺、7p内臓)

 

体内続き雌と雄(8p、9p)と、眼球と脳(10p)

これほどの観察は日本の学校ではどこでも行われていないと思う。


形付け。紙をかぶせて、霧をかける。そのまま重ねて置いて、明日又使う。

「3枚ティッシュ(茶色い紙)を配るから、1枚は下に敷いて、1枚は重ねる、もう一枚で机を拭く。」

と指導。「手をよく洗うように。」との話もあり。

前にあるのが人体模型、横向き写真だからわかりにくいが、走り始めている人の格好で、結構美術的に見られる。

簡単な掃除をして、机を拭いて終了。

授業終了後の、帰りの準備、前に座っているのが先生。おいおい。

これが解剖1時間目、解剖の2時間目は腹を割っていたけれど、同様な授業。

きちんと教材や準備品ができているのが、アメリカ。金をかければ良い授業ができる。

次の日の一幕、説明する先生と 解剖中のかえる。


   

トレーは使い捨て。このまま保存する。


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