立石柿と親田柿

クイズ1:回答=結い(ゆい)

 近所の農家で互いに応援(おうえん)しあって農作業を進めることを「結い」といいます。

立石では、夜になると、柿のない家の人が、柿のある家に手伝いに行きました。
山になった柿がむき終わるまで手伝うのです。
そこで手伝いの若い人たちは、家の中をのぞいて、なるべく柿の少ない家を選んで、今日はこの家にしようと入っていくのです。
あるとき、五人ほどの若い人たちが、家の中を覗いてみると、とても柿の少ない家がありました。
そこで、
「今日は、ここの家にしよう。」
と中へ入りました。そこの家は古い作りの家で、新しい家より床が高いことに気がつかなかったのです。
見えている柿の山は、床の上に出ていた少しの部分で、実際に土間から積み重なっている柿はとても多かったのでした。
むき終わったときには、もう一番鶏が鳴いていたそうです。

柿むきのお礼は、むいた柿の皮と、はね出した形が悪かったり小さかったりする柿でした。
今から40年ほど前まで行われていたことですが、今では信じられないようなお礼です。

これは私の父から聞いた話です。
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